おおよそだいたい、合唱のこと。

ようこそお越し頂きました。
主に、管理人が参りました、合唱団の演奏会のロングレビューを掲載しております。
また、時折、気分に応じて、合唱如何関係なく、トピックスを記事にしています。
合唱ブログのつもりではないのに、気付いたら合唱ブログみたいなことになってきました。
やたら細かいレビューからノリツッコミまで、現状、合唱好きな方の暇つぶしには最適です。
ゆっくりしていってね!!!

2018年3月12日月曜日

【リトルスピリッツ 10th Anniversary 3rd Concert】

2018年3月10日(土)於 札幌サンプラザコンサートホール

琴似、通過。
同団マエストロが愛してやまないという琴似を背にして、いしかりライナーで小樽まで向かう電車の中で、レビュー書き始めであります笑
一昨日のセントレア鉄道橋封鎖で指定便に乗れなかった折はどうなることかと想いましたが、なんとか飛ぶことが出来て、それもちゃんと間に合って、何よりです。お陰で、昨日小樽へ行く計画はぶっ潰れましたけど←
しかしながら、やっぱりどうやら風邪だったようで笑、レビューを飛行機までで書ききる計画は途中で頓挫。遅くなりました。その割には道中、サッポロクラシックを2杯と藻岩山でランチコース食べながらハスカップワインと富良野ワイン飲んだりしているんですけどね← やっぱほら、全力で楽しまなきゃ←

さて、なんで北海道へわざわざ来たかと言えば、演奏会のため爆
実は、東海道線沿線上から離れて演奏会に来るのは、これが初めて……否嘘、このブログ書くキッカケは仙台の「遠い帆」だわ← とはいえ、アマチュアの合唱団を追いかけて飛行機乗ったのはこれがはじめてかしら。
わけあって YouTube で当団初演動画を漁っていたら、「かなでるからだ」を演奏するリトルスピリッツの動画に遭遇。で、それが、聞いてみたらめっちゃいい。音が爽やかにピッチが高く揃っている上に、フレージングも豊か。抜群に上手いわけでもないけれども、同時に、素晴らしい可能性を感じる。そのさまに心惹かれ、気づいたら北海道旅行かねがね行こうかとなって、突然の北海道上陸です笑
さて、タイトルの如く、10周年を迎えたという同団。それも、指揮者の情報を見る限りでは、多分同い年。団員はそれよりも若く、大学生〜新社会人が多い程度ということ。嘗ては大阪の貝掛混声に近いメンバー構成で、それが成長してという意味にあっては、まさに同世代同学年という点にシンパシーを感じます。それでも、演奏会は3回目。団が出来たら2年に1回は演奏会をしないと気がすまない愛知県民にとっては、驚くべき演奏会の少なさですが、それは逆に名古屋のホール事情が恵まれているからなのか、それとも、悪い意味でもなく、単なる惰性によるものなのか……
否、しっかしまぁ、わざわざ名古屋からお客さん呼んだからには貴団、なかなか失敗出来ませんよぉ(勝手に来ただけだろお前←

・ホールについて

当然ながら初めてのホール笑 地下鉄南北線北二十四条駅至近の北24西……えっと、なんだっけ(コラ)交差点すぐ近くにある「公共の宿サンプラザ」という、会議室メインのホテルに隣接したホール。公共施設ということもあってか、入口にある施設名のフォントがやけにカワイイのがまず何よりの見どころです。しかし、道民、ってか札幌市民スゴいですよね。こんな意味の分からないくらい数字で何もかも表現している地名の中に過ごして道に迷わないっていうんだから……ホント、来る前から尊敬してましたけど、ここまで意味分からないとは思わなかった笑
で、このホール、入ってまずびっくりするのが、なにより、そのあまりの絶壁さ。全部1階席ではあるものの、1階席の終端と反響板の天井が同じ高さという、とてつもない急勾配。最早すり鉢、否漏斗笑
でもその御蔭で、どの席からでもステージが非常に見やすい構成に鳴っています。ステージは間口が広くて奥に行くと狭くなる。今回は3間ウィングでしたか、それでステージがいっぱいいっぱいになるくらいなので、中規模の合唱団なのにまるで室内楽でも演っているかのような、ある意味理想的なオーダーになります。ちなみに、ひな壇は割と珍しい(?)、積み木式というか、下からブロックを積み上げていくような構成になっています。
間口が広く、絶壁ということで、客席にもよく音が飛んで来るというのが印象的なホール。5〜600人の規模にして、これだけ音がしっかり鳴っていれば十分ではないでしょうか。もっとも、響き自体はステージに篭もるのか、残響という意味ではあまりいいホールではありませんが、多目的に使うには決して悪くないホール。少し、いくらなんでも高すぎる最後列などは少々気になるところですが。
構造、内装、すべて旧い形。でも、それであるからにして、この地域の文化の一端を担ってきたのが、手に取るようにわかるホール。そう、この音も、あまたの開演を見守ってきたに違いありません。安心の、「b----------------!」←

ところで、入場が、前2列→後1列。こういう場合、名古屋だと後ろから先に入れて前を後に入れる方が多いような気がしますし、実際、そちらのほうが下手側で動線が被らずに都合良く歩けることが多い。少し検討されたいところです。幾分、団員数50人超の、比較的大所帯ということもありますし。

ちなみに、この演奏会、YouTube に動画が上がり始めてます!
(なんで演奏会聴きに行ってんだとか言わない←)
上がっているものについてはリンク貼付けてみました。是非お聞きください!

・オープニング
森田花央里「春の手」(竹久夢二)
まずは小品とばかり。とはいえ、そんな、ポツッとやるような難易度の曲でもないとは思うんですが、まぁよくおやりになる……笑
最初の弱音で入る箇所は、少々息の量が足りなかったか、頼りなさげな声にも聞こえましたが、そこを越えてからは、当初より当方が目していたフレージング能力は間違いじゃなかった、抜群のウタゴコロで楽しませてくれました。特に女声のリードと男声の応答により構成されている同曲では、この曲に限りTSABとオーダーされていることも相まって、非常に効果的に音が鳴っていたように思います。
でも何より、本当に各人が自由に表現しているんですよね。その自由な表現の中でも、皆同じ方を向いていて、音として合っている、それが手に取るようにわかる。その晴れやかな表情。

その後のトーク。「札幌にはまだ早い春」――否、意外と、春もすぐそこに来ているような気がしました。
1ステの紹介にそのまま移っていきました。何やらお出ましのお二人に通り名があったような気がしますが……まぁ聞かなかったことにしておきましょう←

第1ステージ
森山至貴・混声合唱とピアノのための『かなでるからだ』(みなづきみのり)
指揮:北田悠馬
ピアノ:藤村美里(客演)
https://www.youtube.com/watch?v=mloGgyX-GYA

いわばこの曲を聞きに来たといっても過言ではありません。初演もあるのに笑
生で聴くとイメージが変わる、みたいなことって、時折合ったりもしますけれど、今回についてはそんなことはありませんでした。否、本当に素晴らしいの一言! 寧ろ不肖倅なんぞよりも余程楽曲について理解して歌えていたのではないのでしょうか。
本当、全編に渡って、前に進めようという意欲に溢れた演奏でした。そりゃ、時折、ピッチのズレだとか、わずかにリズムの揃わない部分もありました。特にシンコペーションは難しい。正直、そういう観点で見ようと思えば見えるのかもしれません。しかし、そんなことよりも、私は、この団が披露した、この曲の解釈と自由に伸びていくフレージングを、なにより買いたい。こんなに爽やかに歌える合唱団、中々ないですよ。唯一無二と言っても良い。
北田さんの指揮も良い! 多分私と同い年なんですけれども、同い年でこんなにバトンの上手い指揮者見たことがない。的確に叩きながら、曲の解釈を歌う前からしっかりと明示できる。それに合わせて音が出ていくというのが、確かに分かるんです。かといって、過度に指揮に依存しているわけでもなく、各々が思い思いに表現しながら、それがしっかり合っているというのがよく分かる。特に、1曲目に出てくるモーツァルトのモチーフは絶品! 縦が柔らかく揃いながら、それも手掛かりにして、しっかりと前へ進む活力を持つ。特にこういうところって、無意識に、不注意におそくなるみたいなことがになりがちですけれども、今回テンポが少し緩んだのは、明らかに意図的なもの。それも、それがしっかり効果的にフィードバックされている。
否、絶品のひとこと。良いとしか書いてなくてこの項困ったくらい。最高の再演に出会えて、初演団体の一員として本当に幸せな気持ちになれました。

2ステを前に、客演指揮者へインタビュー。指揮者の北田さんが合唱と出会った中学校の恩師。プロフィールによると、三度のNコン全国出場を経験しているという実力者。この団名をつけた張本人でもあるそうです。
「リトルスピリッツという名前をつけてもらって10年。」
「あの時はもう、まだ生えたばかりの雑草みたいなもの。若いのにそれでいて壮大な意気込み――目標というより、意気込みを持っていた。教え子に合唱団を作った子はいっぱいいるが、その中でも一番若いくらい。それが立派に育って、客演に呼ばれるまでに至った。感慨深い。」
「このステージについて」
「プログラム読んで下さいって感じ(笑)。歌い手たちは、結構怒られた感じかしら。美しい高校生のための曲を、オトナになっても瑞々しく歌って欲しい。わかりやすい曲達、楽しんで聞いて戴けたら。ちょっとした笑いも取れたら、なんて!?」

第2ステージ・Nコン課題曲アラカルトステージ
高木東六「赤い機関車」(高田敏子)〈昭和45年度高等学校の部〉
野田暉行「みぞれ」(伊藤民枝)〈昭和58年度高等学校の部〉
三枝成彰「あしたはどこから」(平峯千晶)〈平成15年度高等学校の部〉
指揮:阿部和佳代(客演)
ピアノ:石井ルカ(客演)
Stage encore:
寺島尚彦「夢みる大三郎」(榎本不二夫)

そんなわけで、このステージ。普通のNコンステージと比べると珍しく、古き良き課題曲を聞かせていくステージ。この世代の曲だと、和音を合わせるというのも確かに重要な一方で、何よりしっかり歌い込める力が必要。今の世代だと、ペールに納めがちな流れも多いので、その点、歌いこなすのが逆に難しくなっている側面も否定出来ないように思います。
否センセイ、教育の成果(怒った効果!?)、しっかり出ていますよ!笑
勿論、指摘する場所がないかと言えば、さすがに嘘になる。ピッチが揃っていないところは徹底的に揃っていないし、特に、Sop. の高音部の苦しさ、これはまだいいにしても、テナーの自由さなんて、どの団もホント一緒なんだなぁと思い知らされるところ笑 低声は逆に、もう少しボリュームがあってもいい感じか。
とはいえねぇ、皆が同じ方向向いて音楽をしているというのかな、特にこの曲群、しっかりと歌に支えられつつも小技が利いている曲達。小技をしっかりと、しかしさり気なく応えつつ、その歌心にしっかりと応えて音楽にできるというだけで、聴き応えがあります。
何より、歌っている様子が気持ちよさそうで、ちゃんと、歌を歌うっていうことに執心していて、その思いがそのまま音に顕れているような歌い方。明るい音使いが目立ちますが、それはとどのつまり、教育されたものというより、心の底から自然に出てくるものといえるのかもしれません。
あと、あえていうなら、ステージアンコールの笑いの取りどころで、失笑程度で終わってしまったところか笑 大三郎さん、お疲れ様でございました←

インタミ10分。もとからいたのかしら、この時初めて来札の信長先生をお見かけします。否しかし、最近ちょっとオーラが出てきたような気もするんですけど、相変わらず一般人にしか見えないこのビジュアル、本当、どのホールにいても気付かない時は全然気付かないんですよねぇ……笑 一般のお客さんとして来てても目立つ人っていうのもいるのに笑

3ステ前の曲紹介。そう、この日は3月10日。さすがに東北から離れているだけあって、被災地ムード、というわけではありませんでしたが、それでも、思いを致すところはある。コンクール課題曲としても使った同曲を、然し3月10日に菜園するという意味。「皆様の生きる力となりますよう」。

第3ステージ
信長貴富・無伴奏混声合唱のための『After…』(谷川俊太郎)
指揮:北田悠馬

コンクール課題曲というだけあって完成度は高い……と書こうと思ったけど、なんか違うな。否、完成度は決して低くはないのだけれども、その言葉で演奏を形容するのは、ちょっと違うような気もする。
一番最初聞いた時は、もともと持っている楽器の影響もあってか、ちょっと音色が明るすぎるかな? と思ったのが正直なところ。でも、この団、前述の通り、思いが入ると、逆にスゴいんですよ。
特に、2曲目「絶望からしか希望は見えない/生まれない」の絶唱。文字通りの絶唱。ややもするとあんなことしてたら音ブレちゃうんじゃないのってくらいの、動作にすら顕れた絶唱。そんな事気にしてられないくらいに、心の底から顕れた咆哮が、見るにも美しく、そして音としても、本当に魂がこもっている。そして、それがあるから、3曲目が対称的に美しく収まるのではないでしょうか。
そう、信長先生、時折、最後から1曲目に美しさのピークを持ってくることがありますから、4曲編成の終曲のスタンスって、すごく難しいことがあるんですよね。今回の曲も「そのあと」、ある意味、深刻な音使いで希望を歌い上げる、非常に難しい曲に聞こえるのですが、この団の明るい音があるから、逆にそこまで深刻にならずに終わっている。これ、解釈が分かれるのだと思います。深刻なものは深刻なまま終わったほうが良いんじゃないかって人は、必ずしもいる。でも、僕は、これでいいんじゃないかと思います。これがあるから、明日への活力にできるような音が鳴るんじゃないかと。ここまでくると、単に解釈の問題とも言えるのですが。
すごく、リアリティがあるんですよね。何にしろ、歌に。心の底から共感して歌っていて、それが伝わってくるから、本当に、絶望の中から希望が湧き出てくるような気がします。

インタミ10分。ところで、こういう旧いホールだと、「休憩◯分」と打ち出すことの出来るようになっている電光掲示が大体あるんですけど、これが使われている様子というのをあまり見たことがない。今日もご多分にもれず使われず。あったらあったで親切だとは思うんだけどなぁ。否、この演奏会に限った話でなく、ね。

さて、初演前には北田さんを聞き手にして信長先生インタビュー。
北田「リトルスピリッツと会ってからについて。私とは、旭川で最初に会った記憶がある」
信長「音源を聞いたりして、若いなとは思っていたが、こんなに――子どもだとは笑 オトナがいないっていうか、予想外の若さ。今までのプログラムを見ながら、その延長でありつつ、それを越えて行くような作品を作った。団としても私としても、今まで演ったことのないことをやりたいと思った。ラテン語を使いつつ、ピアノを使った曲。大変なハードルになったと思う。」
北田「いい曲だが難しく、今日が楽しみだった。この曲を通し成長することが出来れば。」

第4ステージ・10周年記念委嘱新作初演
信長貴富『交響する二つのグロリア〜混声合唱とピアノのために〜』〈初演〉
「地平線上のグロリア」
「水平線上のグロリア」
指揮:北田悠馬
ピアノ:石井ルカ(客演)
Gloria のテキストを使い、アイヌの「日蝕のときの呪文」を参照しつつ、和声的に響かせていき、段々と跳躍する平行和音が不気味な響きを、そしてそれが荘厳さへと昇華されていく一曲目、そして、琉球旋法による主題を基本にして、広がりゆく和音と、ヘテロフォニックに響く女声を中心として、水平線が現出し、又淀み、ポリフォニックに徐々に美しい和声が回復し、再び琉球旋法と共に、大団円のAmenで締めくくられる2曲目。
いずれも、実験的でありながら、アイヌと琉球といういわば対極的なものを結ぶというコンセプトのもと作られた同曲。ひとつのテキストでありながら、そのアプローチを変えつつ、まさに対極のように異なる二つの祈りが鳴っている。しかしそれが全く交わらないかというと、そういうわけでもなく、かすかにその結節点を見いだせるような気がする。非常に難しい作品でありますが、何度も聞いてみたい、スルメのように魅力が浮き出てくるだろう佳曲。多くの再演を以てその解釈にも磨きがかけられることを期待したい曲です。特に1曲目はすごく好き。
しかし、難しい作品だったんだなというのが、演奏からもよく見えてしまいました笑 否、概ねよく再現できているのだと思いますが、細かい言葉のつぶやきとともに、和声を積み上げる場所――リーダーシャッツの「一番星見つけた」のような――は、非常に苦労している様子が垣間見える。そりゃそうですよね、難しいですもん、一つのパートだけでなくて、全体のパートが同じような音色で同じような音量で出すことが出来ないと大前提として揃わないパート。一つの音にすらするのが難しいパート。
とはいえ、初演としては十分成功していたのではないでしょうか。この難曲を、ノーヒントの中、一から作り上げるっていうのは、非常に体力のいることだったと思いますが、それは確かに、この楽曲に込められたエネルギーの再現として良く成立していたのだと思います。特に、tutti になるとすごく強い。だから一曲目により魅力を感じられるのかも。斉一的に動いて、一つのスピリッツを示すそのサマよ。

拍手のうちに信長先生が呼ばれて、そのままどうなるのかと思ったら、まさかのアナウンスとともに、アンコール。

・アンコール
小田美樹(arr. 信長貴富)「群青」(福島県南相馬市立小高中学校平成24年度卒業生(構成・小田美樹))
指揮:信長貴富(客演)
ピアノ:石井ルカ(客演)

信長先生が指揮、という、だいぶ珍しい形でのアンコールが実現! アンコールとはいえ、ワークショップなどではなく、演奏会という形での指揮は、大変珍しいのではないでしょうか。
しかし、この日、この曲です。多分、彼らよりもっと若い人たちのために書かれた曲なのかもしれませんが、この曲がこんなに映える演奏を出来る団も本当に、少ないような気がします。すっごく明るいし、みんな演奏会なのにノリノリなの。アンコールだから、とかじゃなくて、全編通してそうなんだけど、ここでは余計に。本当すごいことだと思います。

信長貴富「ブギ・午前一時」(木島始)
指揮:北田悠馬
ピアノ:石井ルカ(客演)、藤村美里(客演)

で、バトンタッチしてこの曲。何度も歌ってきたという同曲は、群青にも増して、全員がステージ上に広がってもまだ、まるで練習からそのまま持ってきたような、そのノリノリのアンサンブル! 特に男声なんか、互いに目を合わせながら華麗にスウィングしてくのが本当最高! 否これはブラボー! 最後ピアノが静かめに終わるので躊躇しちゃいましたが←、勢い次第では完全に声出してたレベル。最高に楽しい演奏で、本演奏会大団円となりました。

・まとめ

色々考えて、最近この「まとめ」を一番最初に書くことも多いんですけど、今回は、言葉が見つからなかった。色々書いていくうちに見つかるかな、と思ったけど、やっぱり見つからなかった。上述の通り、欠点がないとは決して言わないし、この団の伸びしろというのは随所に隠れているんですが、それでもやっぱり、この言葉に終始するのだなぁというのを思い知らされる。
もうね、最高に楽しかったです、というほかないんです。本当に楽しくて仕方なかった。他のどんなに上手い合唱団よりも、この日のリトルスピリッツの演奏は、心の底から光っていた。
このブログ、もとは、当方が大阪に在住していた時、知り合いの名古屋の人宛に、大阪の合唱事情ってこんなで、こんな面白い活動してるんですよってのを紹介する意図で始めているんです。だから、有名団の演奏会だけでなく、地域のいぶし銀の合唱団にも十分にスポットをあてて、面白い活動している団がこんなにいる、というのをしっかりと紹介する、いってみれば、マイナーな団でもしっかり取り上げることに注力してきました。名古屋に戻ってきて、その役目というのが徐々に薄れてきているなとは感じていましたが、それにしても、メジャーな演奏会だけに終始すまい、という心だけは忘れずにいたつもりです。
この団の演奏会に導いた動機は、全く純粋な興味によるものです。でも、そうであるからして、この団は、本ブログの趣旨に十分に沿った実力を持つ、素晴らしい合唱団でもありました。
北田さんの意思にもあるようですし、道内では様々なジョイントコンサートを開かれていて、地域の若頭的存在に鳴っていくのかしら。その意味では、これからさきもどんどん、札幌に留まらず全道に渡りその力を発揮して欲しいと思いますし、本州にいる人間からしたら、仙台、なんなら青森だっていい、どんどんと道外にも活動の幅を広げてほしいなと心から思ってやみません。地域を捨てろ、という意味ではない。こんな良い合唱団、道内に留まっているなんて惜しすぎる、否、北海道の人が羨ましすぎる。
今、必要とされている若手合唱団なのだと思います。各地でいろんな合唱団が結成され、それなりに悩んだり落ち込んだりしながら、必死にその生き残りをかけ演奏活動を続けている。この団とて例外ではないのだと思います。もしかしたらそんな落ち込みが音にすら顕れかねない中、しかしそれでも、この団が持つ明るい音色は、この団の特徴であり、私たちの希望の光です。こんなの、お世辞でもなんでもない。実感です。これからも、どんどんと、全国へ向けて、そのリトルスピリッツを輝かせて戴けたら幸いです。

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