おおよそだいたい、合唱のこと。

ようこそお越し頂きました。
主に、管理人が参りました、合唱団の演奏会のロングレビューを掲載しております。
また、時折、気分に応じて、合唱如何関係なく、トピックスを記事にしています。
合唱ブログのつもりではないのに、気付いたら合唱ブログみたいなことになってきました。
やたら細かいレビューからノリツッコミまで、現状、合唱好きな方の暇つぶしには最適です。
ゆっくりしていってね!!!

2014年11月4日火曜日

【バッカスフェスタ 第16回関西男声合唱祭】

2014年11月3日(月・祝) 於 いたみホール(伊丹市立文化会館)
3, Nov., 2014(Mon) at Itami Hall

酒呑みたちの祭典!
(さほど間違っていない)

You find Bath Male Choir's Information?(for English or other languages Speakers)
This articles introduces and reviews the performance at 16th "Bacchus Festa" in Itami, Hyogo, Japan, also by Bath Male Choir conducted by Dr.Grenville Jones, and a piano by Mr.Philip Evry. They are invited Bacchus Festa as a part of their Japan Tour. "Bacchus Festa" is the chorus festival for the male choir; a whole day was devoted to the male choir included standard classical choir, pops choir, barbershop choir etc., all over Japan. Their, the Bath's performance was very great performance, I think. They were applauded from whole audience there, that shows their great performance. This article introduce the whole of this event, and introduces Bath's bravo performance as the guest performance, in Japanese. Thank you for your visiting this site, and thank you for the Bath, our brother, for your Very Excited Performance! Enjoy your remaining trip!

話題には聞いていましたが、いよいよ参加してまいりました。バッカス。弟分の「男声合唱フェスティバル」(東京都合唱連盟)とともにこの時期に行われ、1日中、いたみホールを男声合唱の響きで包みます。いやはや、最初から最後まで、凄いフェスでした。え、最後?演奏終了のことでしょ?……甘いなぁ笑

・イベントについて
主催 関西合唱連盟・公益財団法人伊丹市文化振興財団・伊丹市
後援 朝日新聞社
協力 伊丹酒造組合
そう!なんと伊丹市公認イベントなんです!というかむしろ伊丹市が関西合唱連盟と手を組んでやっているイベントなんです!これが凄い。何かと内にこもりがちな合唱人にして、こうやってちゃんと手を組んでイベントを発信できるというのが本当に素晴らしいことだなぁと何より思います。完全に出すの忘れてましたけど(コラ)、アンケートも、伊丹市文化振興財団法人のフォーマットです。器楽だと、割とそういうイベントが多いような気がしますが、合唱も、こういうイベントの形式が広まるといいですね。ところで、協力、ってところに何やらアヤシイ文字が見えますね……笑

・ホールについて
阪混以来でしたっけ。なんだか、このホールに来るときは2回とも1日仕事になっているので、とても長い時間を過ごしたような錯覚に囚われます……笑
さすがに凄まじい時間聴いていたこともあり、段々このホールのことがわかってきたような気がします。というのもですね、鳴らないホールではないのですが、鳴らすのにコツがいる。といっても、いつもの、ちゃんと固まった音をガッツリ鳴らしましょうっていう話なんですけどね。阪混の時は、人数の圧力というのもあったので、さほど気にならなかったのでした。コンクールでも使われている手前、色々な話が飛んでくる中で、やたら難しいホールだと言われていたその意味がわかったような気がしました。
ちなみに、上手に金屏風で15列程お酒が並んでいたのは、このイベント独特の光景ですので、お間違えなきよう笑

文字通り、全部聞いてました。いたみホールの椅子は座りやすいのですが(間違いなく)、それでもケツが痛くなる……w

・ゲスト3団体
最初に英語アナウンスをした以上、この団体をご紹介せずにはいられますまい、今回のゲストには、「Bath Male Choir(バース男声合唱団)」「女声合唱団Mai」「関西外国語大学混声合唱団ラベリテ」(出演逆順)が招聘されました。

何より、大トリのバース男声合唱団!イギリスからの招待団体で、彼ら自身ジャパン・ツアーの途上です。指揮者のジョーンズさんは華麗に上着を客席に託し、「Let It Be Me」「Anthem」「Unchained Melody」「Do You Hear The People Sing」「Bring Him Home」「I Believe」「Song for Japan(さくら)」のアンコール含め7曲を披露してくれました。すごく明るい発音なのに、めちゃめちゃ鳴る、自然体の極致のようなナチュラルサウンドが会場を一気に魅了しました。いたみホールが何って、この音が鳴らせればぶっちゃけなんでもいいんですよ!笑 こういう音には、ホールも微笑みかけてくれるんです。一方で、ただ明るいだけじゃなくて、表現について色々な引き出しを持っています。ポップスアレンジを多くレパートリーにしている手前、同じフレーズが繰り返されることが多くても、全然飽きないんです。特に1曲目の「Let It Be Me」では、お披露目と言わんばかりに、その引き出しをまるっと披露してくれました。ハモリよりもっと大事なことを考えて、歌うのが楽しくて仕方なくて、ガンガン声だしていたら、気付いたらハモっていたっていう音を出してくれます。だからこそ、そのエネルギーというのは凄まじいものがありますし、そのエネルギーを最大限発揮するためだけに必要なことを考えている演奏でした。ホント、楽しんで歌ってるなぁって思わされました。指揮者も大概煽ってるだけですしね!w ちなみに、アンコールの「さくら」、ディクションが完璧でした。一体何処で研究したというのだろうか……笑

あとの2団は、途中、男声合唱だけじゃ飽きるだろうということで拉致られた招待された2団。それぞれ、レディースコーラスフェスティバル、混声合唱フェスティバルも開催しており、そちらでのパフォーマンスで推薦されてるという算段のようです。ちなみに、バッカスフェスタでも各イベントへの推薦団体が表彰されています。副賞のお酒とともに←

出演順に。「関西外国語大学混声合唱団ラベリテ」。自主編曲の「川の流れのように」と相澤直人「ぜんぶ」ピアノ版を披露してくれました。しっかりと発声を研究している男声のピュアなサウンドで聞かせてくれました。いい声に所々地声が混ざっているのが気にはなりますが……。しかし、フレーズの長さを比較的長めに取る団のようで、その点、とても好感の持てる演奏でした。それ故に、意外と歌詞が飛びそうになってしまう「ぜんぶ」でも、しっかりと言葉を読むことができていたように思います。全体としてとても美しい演奏で好感が持てました。

「女声合唱団Mai」齢が関西外大と比べるとさすがに***(自主規制)なので、それ故に、年齢を感じさせるビブラート発声でしたが、明るいしっかりとした声出しちゃえばなんてことはないんですね!笑 とてもまとまった、機動的なアンサンブルで聞かせてくれました。フレーズにも伸びが感じられ、しかも言葉もはっきりと飛んできて、とても上手な合唱でした。中田喜直「ちいさな旅の思い出」、高嶋みどり「あげます」、荻原英彦「風に寄せて」(『叙情三章』から)。特に「風に寄せて」では、ディナーミクの管理の妙技が光りました。

・バーバーショップをバリバリ聞ける!
色んな男声合唱を楽しむことが出来るのがこのイベントの特徴ですが、なかでも普段見られない光景が、バーバーショップをたくさん聞けるという点です。それも、バーバーショップ独自の形態で!合唱にお馴染みの方(特に関グリ界隈←)だと、バーバーショップの音くらい聴くよ!っていう方はそこそこいると思いますが、YouTubeに上がっているような、バーバーショップ独自の形態で聴くことはだいぶ珍しいことになってきました。このイベントでは、「A Little side parking」を皮切りに、「Red Point」「The Lockers」の他、京大OB系の「Ensemble Reed」が正統派バーバーショップコーラスを披露してくれました。「A Little side parking」「Red Point」はカルテット。前者は自前のマイクとスピーカーを用意しての披露、後者はアンプラグドでの挑戦です。出演辞退されたものの、「にぬき」もバーバーショップカルテットでしょうか。「Ensemble Reed」は、団員8名での小規模アンサンブル。そして、「The Lockers」は2~30名規模の中規模アンサンブル。鳴り響くピッチパイプの中、前屈みに指揮者が振り向き、それに合わせて指揮者にメンバーが集中する、あの独特の感じもバッチリ再現、それを見た時、思わず、おおおっ、と声が出そうになりました(ピンとこない方は、こちらの動画などいかがでしょう笑)。いずれも、バーバーショップの発声・発音をよく研究され、普段聞けないサウンドに新たな感動を貰うことが出来ました。やっぱり、バーバーショップは、憧れちゃいますね!

・ここは関西である(ネタ枠
ここは関西。どこに行っても、ネタに走る団はたくさんあるものです……笑

「Chor. Draft」初出場。最近関西で頭角を現しつつある、石若雅弥軍団の一角にして、堂々のネタ枠奪取です。石若雅弥「はてしなき議論の後」で石川啄木の歌詩による技巧的な石若サウンドをバッチリと聞かせてくれたのは、ネタ枠でも何でもなくお見事なんですが(ちょいとホール負けしていたのと、レガートで音が流れていたのは今後の課題か)、江口直人「もしかしてだけど」(arr.石若雅弥)では、ガッツリとフリをつけながら、例の「もしかしてだけど〜っ!」の下ネタ(伏せるまでもなく、下ネタ)を午前中(午前10時開演の7団体目)からぶっぱなす!会場大受け!したがって「残念ながら」歌詞がよく飛んだ演奏だった!爆 ちなみに、演奏会ではコントもやっているそうです。どんな団体だよ笑

「合唱団ずずず」も初出場。曲目は間宮芳生『男声合唱のためのコンポジション』第6番から、1番と2番。この曲でどうネタに走るのか、と思いつつ、紹介文には「ずずず…ドイ。」という何やらヤバ気な意味不明な文列。いざ始まったと思ったら、指揮者が客席に向いてピッチパイプの指示をし始める(しかし合唱団からピッチパイプは鳴る)なんていう軽いジャブ、そして、指揮者抜きのアンサンブルを始めると、突然譜面台近辺で腹筋・背筋を鍛えはじめたり、何やら意味不明なカスタネット・ダンス(鳴子踊り、から修正致しました)を披露してみたり、挙句の果てに腹太鼓を披露してみたり、それに団員が追従したり、と、眼前にはシュールな光景が……それに思わず、客席は笑わざるを得ませんでした笑 いやだって、ほら、間宮コンポジでそんなことやるか普通?!しかも悔しいのは、このアンサンブル、音圧も十分で、普通に上手いんだ!爆

「なかもずグリークラブ」は14回目。大阪府合唱祭(レビュー未掲載)と同じネタをぶっこんできました。「菩提寺〈菩提樹〉」「燃え尽き〜行進曲〈ラデツキー行進曲〉」。上(かつら)から下(靴)までバッチリ、宮殿風衣装に身を包み(譜めくりまでも!)、シューベルトとヨハン・シュトラウスの名曲を披露。但し、歌詩は、死にかけのところに三途の川の向こうにいる父親と母親から呼ばれるところでハッとするだとか、めっちゃ頑張って仕事も趣味もバリバリでいるところで突然燃え尽きるだとか、超脱力系の歌詩。勿論、会場を沸かせます。そして「ラデツキー」といったら主題部の拍手ですよね!それもバッチリ再現していきます。課題としては、こういう歌詩なんだし、もっともっと言葉を飛ばしたかった!

「合唱団大阪コンソートTTBB」からは、南安雄「きまっているのに」「おかあちゃんの遠足」「うるせ」「せんせい」「五じゅうまる」「じ」(『子供の詩』から)。ネタ枠、というより、曲そのものがネタなのですが笑 子供の朗読にあわせて、子供のかわいい視点から得られる曲を披露していきます。8時までと決まっているテレビを見る時間も選挙速報に取られることに悪態をついてみたり、父ちゃんと母ちゃんの名前は、うっせとおまえ、だったり、先生Tシャツ一枚でおるからTKBが見えてまっせ、とか、そんなネタを随所に(たぶん自然に)仕込んだ曲に、会場みんなで笑います。でも、「父ちゃんが痔だったから徴兵されずに済んでよかった」という「じ」には、会場おもわず涙です。最初から最後まで、暖かいステージでした。

・ザ・正統派!
もちろん、ここは、男声合唱フェス。ネタ枠やバーバーショップだけでは収まらない、ガッツリとした「男声合唱」も聴くことの出来る空間です。やはり数多いそんな団体から、注目どころをいくつか。

「コールテクニカOB会」は、さだまさし「案山子」(山村達郎編曲)多田武彦「作品第貳拾壹」(『富士山』より)。「案山子」は、縦がイマイチ揃いきれなかったものの、重厚なサウンドで聞かせてくれました。いい意味で円熟したサウンドに好感が持てます。そして、フレーズの収め方が綺麗。「宇宙線富士」は、その重厚なサウンドに乗った、十分なボリューム!所々閉母音が暗いことと、ところどころのトップの圧不足は気になりますが、和音は聞かせるに十分でした。いい挑戦!

「紡(男声合唱団)」揃い方がとてもきれいな、多田武彦「数珠かけ鳩」「白鷺」(『白き花鳥図』より)。特に「白鷺」ではその揃い方とレガートのつなぎ方の綺麗さが音となって顕れ、とても気持ちよく聴くことが出来たように思います。ただ一方で、少し安全路線を行き過ぎたか、緊張感だったりとか、表現の多彩性に欠けた演奏になってしまったようにも感じます。その点、細かいミスも目立ってしまったか。詩を読む、というのは、タダタケにおいては王道の解釈法だと認識しています。

「広島大学グリークラブ関西OB合唱団コーロ・リナッシェレ」は、三木稔「たいしめ〈鯛締〉」「たたら〈踏鞴〉」(合唱による風土記『阿波』から)。愛唱曲という「たいしめ」、そして初挑戦という「たたら」ともに、ザ・男声合唱という演奏を披露してくれました。縦の協和音、sub. p、リードとハーモニーの掛け合い、まさに定番中の定番を、譜面としても、そして合唱としても完全に攫いに行く名演。全体の声量が大きく、特にtuttiの声量は絶品です。それでいて、アンサンブルは近代的なノン・ビブラート。アクセントの刺さり方や、G.P.からの復帰の音程も素晴らしい。こういう音を聞きたかったんですよ、僕は!笑

「男声合唱団 銀河」は、石若雅弥「君死にたまふことなかれ」。ピッチコントロールが「ものすごく」上手い!本当に縦が完全にピチッとハマる様は、聴いていて気持ちが良い物があります。もっとも、そのために、少し全体が平板に聞こえてしまったように感じました。特に、2番目のモーメント以降はもっと捻りに行っても面白いアンサンブルになったように思います。しかし、この演奏、ソプラノのソロも含めて、お手本のような演奏。これは、是非、録音してしまうべきですよ!笑

「京都男声合唱団」からは、佐藤眞「蔵王讃歌」「苔の花」「早春」(『蔵王』から)。いい意味で、時代錯誤感を得られる演奏でした。完全なビブラートサウンドがバンバン鳴っていましたが、それがいいの!笑 4声が上手く溶けた良いアンサンブルでした。歌い慣れた曲をガッツリ歌う、そしてそこから得られる着想に任せるがまま、自然に、快活に歌っていたのが印象的です。もっとも、内声がメロディを取るところは、少しバラけ方が激しかったか。あと、最後、決めたかったですね!

「大阪大学男声合唱団」は、多田武彦「追羽根」(『中勘助の詩から』より)。名曲中の名曲。ソロよく頑張りました。声がもう少し飛ぶとよかったものの、「これお土産に」の収め方はナイスです。音は概ねあたっていたものの、ハミングの音がややボヤケた一方、言葉のパートではやや品がなかったかもしれません。一方、「吹きて散らすな春の風」はより決然と。速度の指示で若干ブレがあったのも気になる。もっとも、文句言いつつも、大好きな曲には厳しくなってしまうんですよってことで一つ笑

「OSAKA MEN'S CHORUS」は、多田武彦「キャプスタン」「帆船の子」(『航海詩集』から)。タダタケの強弱表現からみせる劇性の表現がお見事です。ハーモニーもよく揃い、且つ、それに乗っかるように強弱もしっかり映えています。曲が曲だけに、子音がもっと飛ぶと良かったか。最後まで、ほんの一瞬疲れを見せつつも、ガツガツと鳴らして勢いを保ってくれました。Bravo!

「大阪メールクワィアー&大阪経済大学グリークラブ」は、高田三郎「晴夜」「異郷の雪」(『戦旅』から)。「指揮は、横田清文に代わりまして、須賀敬一」という贅沢なアナウンスと共に(横田先生に何か個人的な恨みがあるわけではありません笑)、聞かせてくれるは何とも贅沢で、そして完璧なまでの高田サウンド!そうですよ、こうでなくっちゃ、高田サウンドは。子音、ディナーミク、フレーズの持つ叙情性、なんといっても、一本の線が通ったような緊張感。もう、1つ目のフレーズから違うんですね、一気に曲の世界に引き込まれてしまうんです。そこから最後まで、完全に計算された音響、そしてそれを理解しきった団員の表現。ホールを目一杯使った須賀・高田サウンド、いつ聞いても、タマランです。

「男声合唱団「DOYA」」からは、多田武彦「忍路」(『吹雪の街を』から)「作品第壹」(『富士山』から)。表現がとても豊かに聞かせてくれました。縦のハーモニーもそうなんですが、タダタケの必要条件に強弱表現があるのは、いうまでもないことなんですね。一方、「第壹」は、確かに必ずしも悪い表現ではなかったものの、名曲だけに、細かい表現ミスが怖い。「種まきのように」のリズムのズレ、中間部が急ぎすぎてしまったこと、途中から内声の音程が落ちてきたことなど、怖い落とし穴に何個も引っかかりそうになっていました。十分楽しむことの出来た演奏かと思います。

・Remarks
「COC」初出場。関西大グリーの若手OBと現役有志。朝一番のグループに、さわやかな発声で気持ちよく。対位的な部分に課題ありか。信長貴富「世界のいちばん遠い土地へ」「ぼくが死んでも」(『思い出すために』から)

「室内男声合唱団Alitheia」2回目。同郷の同志よ!得意なルネサンスサウンドを、軽く歌いこなす。鳴りづらいホールをよく鳴らした。四つの違う言語で多彩に表現。フランス語が白眉。O. di Lasso「Alma Nemes」「Occhi piangete」「En espoir vis」「Ein Guter Wein」

「男.com」初出場。この団以外にも何団体か、I→V7→Iのピアノに併せてお辞儀をする団体が。流行りだろうか笑 フレーズが少し短めだが、軽いトップと重厚な三声で聞かせてくれた。「ずずず」の後だし、声量もこれくらいで調度良い?笑 森山直太朗「さくら」

「北海道大学合唱団関西OB会」2回目。5月に札幌で現役と合同演奏したタダタケ初演曲を関西初演。歌い上げ劇的に表現する難易度の高い曲、長調ののどかな、緑の芽生えを表現する2曲。演奏は、現役がいなかったのが痛手したか、いま一歩。なおも再演が期待される。多田武彦「月夜にめぐり逢う」(伊藤整)「緑の黎明」(北原白秋)関西初演。

「混声合唱団Parsleyの男声とうたおに華麗衆」5回目。超かっこいいスウィングで聴かせる信長編曲と高田三郎から。ノリだけ考えてかっ飛ばす力強いアンサンブルがたまらない。高田三郎は、やや表現が平板となったか。しかし、最後までよく鳴っていた。何より、この2曲を指揮なしでよくぞおやりになる。浜圭介「そして神戸」(信長貴富編曲)高田三郎「自分の眼」(『戦旅』から)

「創価学会関西男声合唱団」14回目。相変わらず縦に美しい創価系サウンド。内声がやや薄めに聞こえたことと、テンポが早く、表現が平板に流れていった。高知大といい、流行りの速さはこれくらいなのだろうか。それにしても、上手いからこそ、もっとじっくり聞きたかった。信長貴富「こころようたえ」

「ジュピター・コール」2回目。旧くからの団で、珍しくロシア曲をレパートリーに持つ団体。昔はもっと人数も多かったとのこと。表現に意欲的。高音がもっとなると聴き応えがありそう。ボルトニヤンスキー「ドストイノ・イェスティ〈ふさわしくあり〉」リヴォフ「汝の聖なる晩餐〈最後の晩餐〉」正教会伝承曲「ムガノヤリェータ〈幾年も〉」

「Outsider」13回目。淀工系と、後に聞く。やはりピアノでお辞儀。骨太のサウンドが、骨太なポップス2曲とよく合った。ビブラートで美しいサウンドを聴かせる、その一つの到達点か。最初の4人のSoliアンサンブルもお見事。森山直太朗「さくら」中島みゆき「地上の星」

「猪名川グリークラブ。」11回目。飯沼京子軍団の一角。なんと猪名川とは一切関係なく、「いなぐり。」と呼ばれたかっただけという衝撃の事実。出だしを肩で合わせるという神業とともに、飯沼先生をリードボーカルに、縦がガッツリ揃った自律的な良いサウンド。選曲含め、ある意味、ロビーコールで聞いてみたい。喜納昌吉「花〜すべての人の心に花を〜」(松永ちづる編曲)

「セレスティーナ男声合唱団」15回目。なんと創団92年。創団年に見合った団員の方が多いものの(断じて100歳以上というわけではない)、全員暗譜というそのバイタリティに感服。ハーモニー全体にまとまりを感じた。歌詞の説得力は良いが、メロディに課題。非常に上手だったのだが、何かが足りない。南弘明「海よ」(『月下の一群』から)

・最後は
15個程賞(という名の酒)を各団にバラ撒き授与し、めでたく閉会……というわけでもなく、その後はホールのロビーでお酒たっぷりのパーティータイム!本当にたっぷりで、なんと事実上飲み放題。それでいてチケットは一般男性(バッカス券)2,000円、女性(ヴィーナス券)1,000円、学生男性(アキレス券)1,500円という、券の名前に落とし所まで付けたオトクっぷり。終演時に曰く「これが本番です!」「帰ろうとする皆さん、今日は帰っちゃダメですよ!」。もちろん、ビール、ワイン、そして兵庫を始め全国のお酒が並びます。どっから出てきたのか、お菓子系のオードブルにとどまらず、焼き鳥やおでんまで!一体どこから出てきたのだろう……笑 わたべは、全団体聞いてお腹も空いたので、空きっ腹に酒はよくないと表彰式もそこそこにミスドで3個ほど頬張った結果、逆にお腹が張ってヘロヘロというオチでした笑 交歓だけにとどまらず、もちろん、歌もご一緒に、「柳河」ソロの公開オーディションや、バース男声合唱団のロビーコンサート、秋ピやさいたらやらいちゃりやといった男声の定番どころを歌いまくって更けていくのでした。いやー、楽しかった! また来年も参加したいですねー。お酒だけでいいから飲みに行きたいくらいだ!爆 できれば、どっかで乗れる団体があるといいんですが(!?)