おおよそだいたい、合唱のこと。

ようこそお越し頂きました。
主に、管理人が参りました、合唱団の演奏会のロングレビューを掲載しております。
また、時折、気分に応じて、合唱如何関係なく、トピックスを記事にしています。
合唱ブログのつもりではないのに、気付いたら合唱ブログみたいなことになってきました。
やたら細かいレビューからノリツッコミまで、現状、合唱好きな方の暇つぶしには最適です。
ゆっくりしていってね!!!

2017年3月13日月曜日

【名古屋工業大学合唱団第51回定期演奏会】

2017年3月12日(日)於 瑞穂文化小劇場

弊団演奏会が終わり、どことなくゆるりとした空気が流れる今日このごろ……
否、個人的には、ここ数日、一切そんな雰囲気はないのですが笑

そんな中、何かと楽しみにしていた演奏会。名工大というと、読んで字のごとく、名古屋はおろか全国でもトップクラスに位置する工業大学ということで、もともと男声が非常に多く、アルトを男声に任せた上で混声化するなんてことが普通だったのですが、今度の演奏会に行ってみたら、男声と女声が実にいい塩梅。女声の理系志向は、こんなところにも恩恵を齎すのですね……(違
それもあってか、最近になり活動の幅を広げ、昨年のTuF(東海地方の大学団が集うイベント)や、先日の医混はじめ4団で構成されていた名古屋混声合唱学生連盟(混合連)に参加するなど、その活発さも目をみはるところです。
そんな中迎えた今回の演奏会、団内でインフルが蔓延したようで、3人オフステと相成ったようです。ソプラノは確認できる限りで、5人中2人がオフステ。もしかしたら、コンバートとかあったのかもしれない。20人といない合唱団で、これは辛い。
【訂正】副指揮はオンステしていたそうです。大変失礼しました。しかも、噂によると、代役として?「例のクロワッサン」をやっていたとかやっていないとか……笑

・ホールについて
何か書いた気がするなぁと色々確認していたのですが、見てみると、まだレビューに上がっていなかった同ホール。どうも、弊ブログのレビュー対象外の演奏会でよく使われているのですね。。。ちなみに、近くに、ネーミングライツをパロマに売った瑞穂陸上競技場があるからか、緞帳はパロマ提供です。
通称「風呂場」と(一部の界隈で)親しまれている同ホール。度々出てくる、名古屋の文化小劇場の中でも最新の方のホールです。なんでこんな風に呼ばれている(というか呼んでいる)かといえば、ひとえに、多目的ホールのくせにメチャメチャ響く、その音響にあります。理想的な響きというわけではなく、このホールに関して言えば、「響きすぎる」。それが悪作用を及ぼすような演奏もあるにはあると思うのですが、少なくとも今日の演奏に関して言えば、小さいパートやクラップでも、上澄みで引き立てるようなアンサンブルになって良い。しかもこのホール、響きすぎたとしても、その響きが素直に届くタイプなので、快適に聴くことが出来ます。その、硬い響きを拾ってうわんうわん響いてしまうようなことはないので……笑

・エール
団歌?(曲名不詳)
全体としておとなしい、しかし素直なアンサンブル。響きはよく合っているようでいいのですが、一方で、だからこそ感じる物足りなさ。全体的にもっと出しても良いような気がしました。ただ一方で、この声量で合わせようとする場合、全体として男声の出し方が無神経に聞こえます。

第1ステージ・古今東西のキリスト教音楽
Miškinis, Vytautas “Cantate Domino”
Palestrina, Giovanni Pierlugigi da “Sicut cervus”
【Canceled】千原英喜・混声合唱のための『どちりなきりしたん』第1楽章
Dubra, Rihards “O Crus Ave”
Matsushita, Ko “Ave Maria for youth choir”(松下耕「青少年のためのアヴェ・マリア」)
指揮;掛水康平
ピアノ:清水沙彩

第1ステージは、去年の正指揮による、宗教曲選集。先述の団員の病欠により、3曲目はキャンセルの由。
全体を通して、もっと声量・音圧があれば……と悔やまれる表現が非常に多かったステージでした。1曲目のミシュキニスなどはその典型。内声の響きが落ちてしまっているのは、意外と音圧をかければ解決しちゃうんじゃないかと勝手に思っています。楽観的すぎるかしら? でも、勢いって、大事だと思います。なにより、カンターテ・ドミノだし。新しい歌を神様に、って話だし。松下センセのアヴェ・マリアも然り。これはでも寧ろ、中音域で地声が出てしまっていたのが気がかりですが。
一方、パレストリーナやデュブラのアンサンブルはとてもよかった。特に、パレストリーナの出だしなんて、もう絶品レベル。理想的なルネサンスの響きが鳴っていた。否、その意味、たしかに響きが落ち気味ではあるとは思うのですが、でも、低いほうが成り立つアンサンブルって、少なからずあるんですよ。ただ、パレストリーナも、掛け合いについては、もっと推進力が欲しかった。その意味では、メンバーが少なかったことに関係なく、すこし守りに走りに過ぎたかしら?

インタミ15分。ポップスステージと銘打ってる=次はアトラクションはないだろう(と当時は思っていた)割には、長いなぁ、といったところ。

第2ステージ・ポップスステージ
「アンパンマンのマーチ」
「みんながみんな英雄」(AI)
「ひまわりの約束」(秦基博)
「SUN」(星野源)
指揮:松下良(代理:掛水康平)
ピアノ:清水沙彩

否、違ったんだ。このステージ、寸劇が実は付いていた。しかも、「自分に自信のない感じの女の子を突如現れたクロワッサンマンが助けてちょっとだけ現状を良くする話」みたいな感じの、なんとも言えない、久々に見るような雑な感じの(褒め言葉)ストーリーで……笑 最近、ちゃんとマジメな方向で作り込んでくる団が多かったから、それ考えると、こういう、非常にいい意味で雑な作りの寸劇をやってくれる団が今もあるということに、オジサンなんだかすごく安心した笑
基本的に、すごくシュールな中に歌が入るから、それもまた面白さを増すという、中々見ていて楽しいステージでした。ただ、演奏自体は平板だったか。特に、「ひまわりの約束」は、普通にカラオケで歌っている分にも、語頭にあたる細かい音符が飛ぶ傾向にある曲だけに、もっと意識を向けたかったところ。自分から歌詩の含意を歌いに行きたかったところです。

再びインタミ10分。指揮台が持ち込まれましたが……ここの指揮台、高くない?笑

第3ステージ
上田真樹・混声合唱組曲『まほろば』(林望)
指揮:山村莉沙
ピアノ:清水沙彩

この演奏会で言いたくないこと言いますね。端的に、ソプラノが足りなかった。それに尽きる。
上田真樹の音楽って、何やっても、仮にそんなに高い音でなくても、高い音のボリュームがないと聞かせることの難しい曲ばかりで、結局、高い音がちゃんとならないと、クライマックスがしっかりと響かない。出るなら出るだけ越したことはないのです。
それでも、使える武器の中で、何をどう表現しようという意欲は、特にゼクエンツの響かせ方を中心として、決して悪いものではなかった。そして何より、それ自体はちゃんと伝わっている。練習してきたことを十分に披露できる状態ではなかったとは言え、十分に、爪痕を残してくれる演奏でした。完璧ではない。でも、なんだか、胸のすく演奏でした。

団長挨拶。最後の最後の難局(今回はこれであってるw)に対しての万感の思いも胸に、最後の曲紹介。

encore
信長貴富「リフレイン」(覚和歌子)

なんだかんだ、結局、アンコールが一番だったりするんですよね……笑 もとが素直な音を鳴らす団だけに、素直な響きで聞かせてくれました。そして、そう、ゼクエンツに対する配慮がすごくいいから、この曲に対する表現も素直にいい。

・ロビーコール
信長貴富「歩くうた」
Ken-P「つながり」
SEIGI「アイコトバ」

最後の曲のクレジットだけは、本当に最近までわからなかった……笑
否然し、Kくん、聴きましたよ、Ken-P のこの曲、この前の某団のアンコールでやってたそうじゃないですか……w

・まとめ
色々考えながらレビューをまとめていました。ビール飲みながら。
いつぶりだったか、翌日にレビューを持ち越してみましたが、やっぱり、モヤモヤとした思いがある。
あえて言いたい。こんなこといっても仕方ないのだけれども。
やっぱり、全員の揃った歌声が聴きたかったです。別に昨日の演奏だって、悪かったわけじゃない。しっかり整ったアンサンブルを各大学団が聞かせるというのは、少し前までの名古屋の大学団にはなかったことであり、名古屋の大学合唱文化の大きな伸長には、心の底から頼もしさを感じるものであります。まして、まともに混声が歌えなかった名工大が、混声をバリバリ歌い、対外活動も積極的にこなしている。前よりもはるかに、量的にも質的にも、活動の幅は広がってきています。
だからこそ。しっかり全員で作り上げた響きを聴きたかった。否、こんなこといったってしょうがないのはわかってる。数日前までインフル発症していたという指揮者もいる。こんなの、運なのは分かっている。でも、せっかく、魅力的な活動をしていて、魅力的な演奏を少人数でも届けることの出来たこの団なのだから、もっと出来たことがあるはずだという、非常に悔しい思いがあります。
そういえば、去年もこの団の演奏会を聴きに来て、とある事情でレビュー化せずにいたのでした。
今後共、期待しています。今回は、その程度に留めておきたいと思います。敢えて。

0 件のコメント:

コメントを投稿