おおよそだいたい、合唱のこと。

ようこそお越し頂きました。
主に、管理人が参りました、合唱団の演奏会のロングレビューを掲載しております。
また、時折、気分に応じて、合唱如何関係なく、トピックスを記事にしています。
合唱ブログのつもりではないのに、気付いたら合唱ブログみたいなことになってきました。
やたら細かいレビューからノリツッコミまで、現状、合唱好きな方の暇つぶしには最適です。
ゆっくりしていってね!!!

2015年1月11日日曜日

【近畿大学文化会グリークラブ第52回定期演奏会】

2015年1月11日(日) 於 豊中市立アクア文化ホール

皆様、あけましておめでとうございます。
昨年、当ブログにおきましては、皆様からの1万を数えるPVを頂戴することができました。他のブログ運営者の皆様からしましたら、なんだその程度、といった数でしょうが、それでも、更新数の少ない、そしてなんとも物好きなテーマをなんとも物好きな文体で書き連ねております私にとりましては、燦然と誇るべき第一歩であると自負しております。素人の譫言のような批評ながら、時にご拝読いただき、時に温かいコメントを戴き、時にご期待まで戴きましたこと、格別のご高配を賜り、誠にありがとうございました。本年は、私に取りましても又色々と変化のある年、与えられた場所で、与えられたことを必死に取り組んでいく中に、このブログがあり続けたらいいなと考えております。何卒、宜しくご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。当日、筆者敬白

……って、終わっちゃアカンがな笑

さて、今日は、ちょっと2014年を忘年できそうなテンションではなかった、近グリさんの定期演奏会でした。色々あったんですよ、ええ……外様ですけれども、少しばかり巻き込まれていました笑

・近畿大学合唱事情
 さて、以前の大学合唱コンペティションの記事をご覧になった方は、お気づきかもしれません。「近畿大学混声合唱団」という新しい団が、昨年近畿大学に誕生しました。初出場ながら輝かしい成績を収めたことは、皆様の記憶にも新しいところかと思います。また、事情通の方は、ちょうど今年度はじめに「近大合唱サークル・アプリコール」という団体が立ち上がり、いずれ近グリと混声合唱を、というような話をしていたことを覚えていらっしゃる方もいるかと思います。実は今、近畿大学の合唱界隈、変革の時を迎えつつあるのです。書けるだけ書いときます。
 前述のとおり、今年度始め、「近大合唱サークル・アプリコール」という女声合唱の団体が立ち上がり、のちに、近大グリーの下部組織に編入という形で、近畿大学公認サークルとなりました。これまでグリーしかなく、それも規模縮小に歯止めのかからない近大にとって、とうとう女声・混声の歌う場所ができたのは、それだけで十分な変革でした。しかし、その後、近大グリーに新しく入った団員が仲違いする形で、新しい合唱団「近畿大学混声合唱団」を設立し、独立して活動を進めることになりました。つまり、「近大グリー(近グリ)」と「アプリコール(アプリコ)」、「近大混声(近混)」が群雄割拠しているという状況になり、現在に至っています。近グリは、皆様知るところ、演奏会も今回で52回を数える伝統を持つ団、そしてその近グリの兄妹組織としてのアプリコール、それに対して、近混も、第1回大学合唱コンペで見事グランプリを(実はいわくつきなんですけど)勝ち取るなど、今までにない活況を、否当事者からしたらタダ事でない混迷を見せているのでした。外様からしたら、名大も早大もそういう仲違いの中からそれぞれ巨大な組織に発展してきてるんだしえーやんなんて思っちゃいますけど、そういう問題でもないですね、はい笑←

そんな中、近グリにとっても、いわば生き残りをかけた勝負の演奏会。それでも、出鼻をくじくイベントが色々あったのが今日の演奏会。ある意味、一大スペクタクルです。

・ホールについて
 実は以前来ていますね。昨年度の豊中市合唱祭を聞きに行ったのがはじめてでした。もっとも、あの時は、休憩なしのぶっ続け、明転すらなかったので、開演前やインタミ時の明るいホールというのはむしろ新鮮味すらありました笑
 天井がとても高く、いわゆる残響は無いホールながら、しっかりした音をかっちり届けてくれる良ホール。客席中央で聞いていたというのもあるでしょうか、それにしても、「柵前」と呼べるようなS席相当の位置が大変ステージと近いところにあるホールです。ちなみに、ステージ前で鳴らしたほうがよく鳴ります。つまりそういうことです(何)。それこそ、ザ・市民ホールの一角ですが、隣にギャラリー機能も存分に備えた1,300人規模の大ホールと200人規模の小ホールを備えた芸術ホールを2016年会館を目標に建設中。日本センチュリー交響楽団の本拠地、そして市内には北川昇先生を輩出したことでも知られる大阪音楽大学を擁する豊中市としては、目下一大プロジェクトでもあります。しかし、そんな中、アクア文化ホールが今も貴重なのは、小さい合唱団が演奏会を開けるような、アクアのような300-400人規模のホールが大阪市内だと本当に少ないということ。結局、今回も、東大阪市という、いわゆるミナミ側にある近畿大学の団にして、演奏会は豊中で開いている。エブノ泉の森ホール(大体500人くらい)など、郊外にいけばないことはないのですが、他方、名古屋のように各区に300-400人規模の文化小劇場があるという環境(しかも今度また増える)は本当に恵まれているなぁと思う昨今。それでも、今日のお客様は3割程度。こういう演奏会、もちろん名古屋でもいっぱいみてきましたし、関西でもちらほらありました。

団員8名。しかし残念ながら団員の一人(Bas.)がインフルエンザにつき急遽出演キャンセル。7名でのアンサンブル。なお Top Ten. が一人なのはデフォな模様←
ちなみに、団内、特に技術勢の流行はスクフェスだそうです。いまいちスクフェスとラブライブ!の違いがわかっていない老害ですんません←

・第0ステージ
樋口昌道(arr.浅井修造)「近畿大学 校歌」(世耕弘一)
オープニングで校歌を歌うことが出来るというのは、一つ公認サークルの特権のようなものがあります。なにより、楽譜が門外不出な面がありますからね。
なによりこのステージ刮目すべきは、ユニゾンの美しさ。かねがねユニゾンのの美しい団はアンサンブルがうまい団だと申し上げ続けている私としたら、それだけで大満足です。お世辞抜きで。他方で、開母音で上がる音程が少し低く鳴ったか。また、縦にハモると、内声に乱れも。それでも、最低限はめるところはちゃんとはめてくる点、関西で生き抜いてきただけはあります。なにより、発声がしっかりしているだけに、とても好印象でした。

ここで、今日のメインステージを指揮する根津先生が登場。マイクを持って何をアナウンスするのかとおもいきや、
・上記の通り団員8名のところ、1人欠席
・さらに1人高熱を押してオンステ
・以上を鑑みて、第1ステージは根津先生、さらにボイストレーナーの山本欽也先生、OB1名(本ブログの読者様笑)がヘルプでオンステ
・山本先生は別の会場での本番から駆けつけているなうですので、到着次第1ステ始めます
とのご案内。こんなこと、特に最後なんて、観客としてもはじめてなので、明転の間に思わずツイートしましたよ←
無事山本先生到着され、1ステ開演。それだけでハラハラさせられましたわ……。

第1ステージ
新実徳英・男声合唱とピアノのための『花に寄せて』(星野富弘)
指揮・高島恒一
ピアノ・平岡めぐみ

最近だと「明日へ続く道」(千原英喜)の作品で有名な向きもある、星野富弘作詩の合唱作品。でもやはり、星野富弘詩の合唱曲といったらこれって感じがしますね。定番中の定番です。実は何かと、この独特の「合唱っぽさ」が嫌いな時期もありましたが、「たんぽぽ」歌って以来は、自分の身の中にも沁みてきたような感じがあります。歌ってなんぼ、ってわけでもないですけどね。
特に、人が実質二人ほど欠けている低声周りで、ヘルプの力を感じてしまうアンサンブルだったように感じます。とはいえ、セカンドのキャラが立っていたことと、全体としてちゃんと声がハマっていたのは好印象なアンサンブルでした。意外と機能的な音を鳴らそうとしていたのが印象的。細かいところを挙げてみるとキリがないっちゃそうなのですが、例えば、3曲目のセカンドのメロディはそれでも埋もれてしまっていたこと、ダイナミックレンジがどうしてもアンサンブルの制約上狭くなってしまっていたこと、また、対位的な部分のズレが気になってしまう演奏でした。とはいえ、課題は課題、よくうたい切れていましたし、最後のハーモニーはよく揃えました。ピアノ付きの曲を10人以下でやることの大変さを思うと、若干甘目ながら、評価に値する演奏だったと評価できます。何より、トップが、プロである山本先生一人の声でなかったのが……!?

第2ステージ
木下牧子・無伴奏男声合唱組曲『いつからか野に立って』(高見順)

指揮者抜きでのアンサンブルスタイル。曰く「神は言った「今のお前たちに指揮者なぞいらない」と。/神の言葉を信じてしまった僕たちは、指揮者なしで演奏をすることになった。/今宵、神から授かった音楽を披露する。じっくりとごらんあれ。」……煽るなぁ笑
神から授かった、かどうかはよくわからないですがびっくりするくらいに上手なアンサンブルでした。下二声に声量的な面で不足感があったものの、表現の仕方や曲への理解、そして全声の掛け合いがとても素晴らしいものでした。だからこそ、普通の演奏として聞いている面も。「イ」で声が詰まりすぎてしまったり、曲の終止に対するコンセンサスの付け方はもっと厳密に決めておいてもいいのではないかなという点が気になってしまったのもありましたが、それ以上に、フレーズの美しさと、上に挙げたようなアンサンブルの妙で聴かせる演奏でした。アンサンブル形式というのも功を奏し、全員でしっかり音楽をつくり上げるというのがいい方向に働いていたように思います。もちろん、満点とは言えない部分も音程含め若干あるのですが、それ以上に、この団の方向性を示すに十分な演奏でした。こういうふうに人数が少ないと、アンサンブルのあり方すら見失って、歌うことに自発性がなくなってしまうことも少なからずあるのですが、少なくともこの曲に関しては、既に、少人数で存続の危機にすらあるような状態というのは面影も見せず、必然と、このメンバーでアンサンブルをすることを求められている一つの合唱団の姿であったように思います。何度でもいう。本当に良かった。
そしてトップ!やはり君の声はよく張っていた!一人ながらナイスリードボーカル!

インタミ10分。1ステオンステされた例のOBの方とお話をしていました。お疲れ様でした……笑

第3ステージ
アラカルトステージ 佐藤賢太郎の作品から
「雪の思い出」
「かさなる声に」
「僕が歌う理由」
「ネコのおくりもの」
指揮・根津昌彦
ピアノ・鹿島有紀子

根津先生のホームグラウンドのひとつということで。根津先生の指揮、わかりやすくて的確で、一度歌ってみたいなぁと思わせる指揮です。実際、大先生の薫陶を受けておられる。そのところも、いい影響を与えているのでしょうなぁ。この団、指導者にも恵まれているんですな、たぶん。
さて、今や空前の売れっ子っぷりな Ken-P。今日は声部を2, 3に絞った4曲を披露。「雪の思い出」は、いわゆる「雪やこんこ」のアレンジ。シンコペーションリズムでポップに楽しく。「かさなる声に」「僕が歌う理由」では、伸びやかな明るい、染み入るメロディで歌への思いを歌い、そして、「ネコのおくりもの」では、ネコが誕生日のお祝いの仕方について議題を重ねるかわいい曲。いわゆる「歌に対する歌」、言い方変えればメタな曲が多いのが、Ken-P の曲群の特徴にも思います。
メロディ系の曲というだけあって、上2パートに声量的にもコンディション的にも強みのあるこの団の特徴が光りました。しかし一方で、高声と低声いずれにも、音が時折ずれることがあったのがここでは残念。メロディを聞かせる曲では、こういうところでのズレがどうしても大きくなってきます。気持ちよく歌うという今の基本は外すことなく、聴き合うという基本は、アンサンブル以外でも外すことなく、しっかりと聞き合って合わせるというのを今一度しっかり徹底されるといいかと思います。しかし、しっかりとメロディと歌詩を歌っていること、そして、何より、この曲群に、近グリの「今」を思い返さずにはいられませんでした。歌うということの楽しさ、部長の田中先生曰く「集中することが厳しい状況」(パンフレット)。でも、この演奏は、今日、ここまでしてきた演奏は、演奏できる喜びを心の底から喜んでいるんだということが伝わってくる快演だったかと思います。

無事終演、花束贈呈。花束贈呈する人がひな壇に残る団員より多いというのは、はじめてみた光景だったように思います。

アンコール
「ネコのおくりもの」アンコールver.
指揮:根津昌彦
ピアノ:鹿島有紀子
同じ曲。でも、振り付き演出つき。根津先生の腰のあたりから何か変なものが出ているなぁと思ったら……尻尾!?それだけでなく、ラブライバー団員たちが先生ふくめみんな猫耳を被って「おたんじょびってニャンですか?」と歌う!某界隈歓喜!(マテ
間違いなく、語弊を恐れずに、精一杯頑張っているのが伝わってきた!笑
でも、この曲、こういうふうにして歌う曲なんだなぁというのをしっかりと示してくれました。みんな、楽しそうなんですよね。本当、知ってるんだけれども、シーズンの苦しさどこ行ったのよ、っていうくらいに。「歌う楽しさ」って、言葉にするとすごく陳腐に聞こえますけれども、この演奏聞けばわかります。歌う楽しさ。歌の楽しさ。同じ列で聞いていた女の子が、目にハンカチ抑えていたいたのが印象的でした。

奥華子「ガーネット」
指揮:藤井将博
ピアノ:濱本達夢
「時をかける少女」の曲。時かけ、何種類かあるけど、察して←
懐かしいなぁ、というと、何でしょうか、個人的な話ですが、僕の中では、嘗て学指揮の本番で振った数少ない曲のひとつです。アレンジこそ違いましたが、この曲、演奏会の終わりでやると、歌詞の意味がそのまんま自分たちのことになって、じんわり来るんです。
もっと、バリトンがメロディをメロディとして歌っていけると良かったかなぁと思いました。あと、指揮者が例のテナー君なので、パート分けの都合もあり、少しばかり、ボリューム不足を感じたのも事実。
しかし、僕の見ていた限り、ピアノ弾いていたの、高熱出してたって子なんですけど、トリルも丁寧にばっちりと決めてくる。すごいなぁと思いました。そこはピアニスト。指が覚えている。尚僕はピアノは弾けません←

団長挨拶。いい挨拶でした。
「今日の演奏会が出来たのは周りに助けられたおかげ」という一言。きっとそれだけが全てではないよ。クサいこといえば、君たちの頑張りによって、この団はまた1年伝統を伸ばすことが出来た。それが、何よりの、周囲の誇りでもあるんです。きっと。……クサいな←

エンディング(ストーム)
和田光司(千葉偉功・詞曲)「Butter-Fly」
デジモンの例の曲。カラオケでやると盛り上がりますね……いかん!歳がバレる!(もうバレてる)誰か、2ステの選曲をしたTMRくん(なぜ伏せた)がサイリウム持っていましたが、眩しいですわ、うん←
またしてもピアニストの強烈なアタックよりはじまり(頑張りすぎや!w)、残りの6人これはほとんどカラオケである笑卒団生二人、2番のAメロSoliでやるの羨ましいぞw
まぁ、先程とは打って変わって、文字通り楽しそうに「歌い散らかして(ある人の新年会でのひとこと)」いったのが印象的でした。みてて楽しかったし、お客さんは自然に手拍子で応えるし、もはやカラオケだわこれはw

ロビーにおける卒団生挨拶、そして、「ロビーコールは、ないんです。」という宣言の中、周りの人を巻き込んで上回生を胴上げして閉幕していくのでした。アットホームを地で行く演奏会笑

・まとめ
 割合、政治的思惑で行ったというのは否定出来ない(最近こういうの多いな……来週は考える笑)のですが、それ以上に、2ステの鮮烈なイメージが今も耳に残っています。8人が7人に減るという絶望的なコンディションの中でも、しっかり歌い切るどころか、聴かせるアンサンブルを組み立ててくれていた。いい意味で、これで8人万全の状態でオンステできたら、と悔やまれるくらいです。
 パンフレットを見ていると、なにやら、今年は厳しい一年だったとか、これまでにない危機だ、とか、厳しい言葉が並んでいました。確かに、現状分析としてその結果に至るのは一見間違いではないのですが、他方で、一つ、重要なことが見落とされているような気がしてなりません。皆さんには、こんなに素晴らしいアンサンブルをするポテンシャルがある。もちろん、これから4回生が抜けて、また恐らく日本一クラスで厳しい新歓を乗り越えていく必要があります。でも、皆さんの新歓における最大の武器は、これまで培ってきたアンサンブルだというのを絶対に忘れないようにすべきです。このアンサンブルは、少なくとも近大でならどこにも負けないんです。これから、日本随一の名演をすることができるかもしれない。その希望を、しっかり胸に刻んで、これからも努力していってください。わするるな、あの校歌のユニゾン!そして2ステのアンサンブル!

・メシ―コール
とか言う名の、大好きなラーメン屋「一福」本店行ってきましたっていうご報告です。相変わらずうまかった。ちょっと脂身が増えてきているのが心配。単純に、あそこの豚骨は、油があると邪魔なんですわ。なんか矛盾してるみたいな言い方だけど。あと、スタンプ特典のそぼろメシ旨かった。
そういえば、空港近くの人気店「みつか坊主」蛍池店が火事になってたそうですね。とうとう行けずにこの地を離れることになってしまいそうだ。悲しい。梅田に食べに行こうかな……でもその前に食べなきゃいけないラーメンをかなり取りこぼしている気がする。悔しい。

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