おおよそだいたい、合唱のこと。

ようこそお越し頂きました。
主に、管理人が参りました、合唱団の演奏会のロングレビューを掲載しております。
また、時折、気分に応じて、合唱如何関係なく、トピックスを記事にしています。
合唱ブログのつもりではないのに、気付いたら合唱ブログみたいなことになってきました。
やたら細かいレビューからノリツッコミまで、現状、合唱好きな方の暇つぶしには最適です。
ゆっくりしていってね!!!

2013年7月14日日曜日

【アルティ声楽アンサンブルフェスティバル(2日目)】

2013年7月14日 於 京都府民ホール・ALTI(アルティ)

1日目は金銭面時間面等で我慢して2日目を鑑賞。ただ、昨日はなにコラが Pseudo-Yoik NT やってたらしい。所謂偽ヨイク。聞きたかった。
更にいうと、京都は祇園祭で盛り上がっていた。此方も見学したかったものだ……。

とはいえ、初めてのアルティ、本当に充実していました。
それは、この土日の京都の天候が絶望的に悪かったことにより示されているでしょう笑
さすがですね、関西代表・伊東恵司先生と関東代表・三好草平先生がジョイントしたら、雨脚も強まるってもんですw

解説:『アルティ声楽アンサンブル フェスティバル2013~ALVEF2013~10周年記念特別編』を聞きに京都へ。このイベントは、京都府立府民ホール「ALTI」で毎年開かれているイベントで、講習会や各地域の団体による演奏など盛り沢山のコンサートイベントです。で、今年はこれの実行委員長・伊東恵司先生(弊団でもお世話になっている合唱指揮者)に加えて、昨日、Cache-Cache という団で指揮を振られた三好草平先生が来京。お二人は合唱界随一の雨男ということで有名です。つまるところ、今週末の関西圏における夕方の豪雨はこのお二方がげnうわっなにをするっやめろっ

今年は松下耕先生のワークショップ。さらには同先生指揮による東京ユースクワイアの招待演奏でした。なんと松下耕先生の自作初演

歓迎演奏その1:みやこ・キッズ・ハーモニー&平安女学院中学校・高等学校コーラス部
「祇園祭のお札売り〜四方の景色〜京の大仏つぁん〜一条戻り橋〜いんでこ大文字」
着物姿の子どもたちによる、ピュアな、いかにも京の子どもたちの声、という演奏に癒される。動きも軽快、外の祇園祭の様子を、少しは感じられたかも。

第1部
松下耕先生ワークショップ「マツシタ・コード〜楽譜に秘められた作曲家の暗号(ほらね、・信じる他)」
パナムジカが出張して、上記の楽譜を売っているというので思わず購入。2100円。どっちも欲しかった楽譜なので、後悔はしていない。なにより、この講習会、勉強になりました。著作権あるでしょうから詳しくは言いませんが、ちゃんと楽譜は細かく読まないとなぁとつくづく感じられる講習会。さらにいうと、松下先生の熱い思いをひしひしと感じる瞬間。モデル合唱団の東京ユースクワイアと葡萄の樹の綺麗な歌声に合わせて歌うのも楽しい。

第2部
1:アンサンブル・パティーナ&女声合唱団ラ・プリマヴェーラ(大阪・枚方)
「TAVASZ, TAVASZ」(Koscar)から「Bokor aljan ibolya」「Double」
「Three Birthday Madrigals for upper voices」(Rutter)から「My true love hath my heart」
「Six Songs of Early CANADA」から「The False Young Man」(arr.Patriquin)
「Ave Maria ~To the Memory of my mother」(Hollst)
選曲にエッジが効いていました。Holstの Ave Maria なるものは初めて聞きました。他は、薄識にして知らぬ曲たち。演奏、母体がおかあさんコーラス系ではあるものの、しっかりとまとまったアンサンブルを訊かせてくれました。

2:ばーれんこーる(長野・松本)
「O bone Jesu」(Brahms)
「Alma Redemptoris Mater」(Busto)
無伴奏混声合唱曲集「種子はさへづる」(信長貴富)から「ある時」「春の河」「種子はさへづる」
非常に素直に響いていてうまかった。特に信長は、大切なレパートリーと指揮者の近藤先生が言っているだけあって、よくまとまっていたし、表現がうまかったように感じます。Brahms は先生の好きな曲だそう。綺麗に和声積まれていて、おっ、と思わせるだけのものはありました。しかし、Busto って普通の曲も書くんですね……←

3:あい混声合唱団(東京・千代田)
混声合唱アルバム「風にのれ、僕らよ」(相澤直人)
本人曰く、滅多にやらないらしい、自作自演。もっとやればいいのに、という位、声もよく伸びていて、いい演奏でした。自作自演の際の合唱団というのが、声がよく伸びていて、しかも今回、非常にいきいきした曲でよかった。相澤先生の曲やってみたくなった。相澤先生は松下先生のWSを聞いて、何か喋ろうと思っていた処やめてしまったそう。ところで、知己の姿が見えた気がしたが、気のせいだろうか。

歓迎演奏その2:なにわコラリアーズ
Hän kulkevi kuin yli kukkien(Madetoja)
津軽じょんがら節(arr.松下耕)
今日も相変わらずさわやかにかっこよかったです!どんな曲もそつなくさくっとこなしてしまうのは、相変わらず、お見事。

第三部
4:Ensemble Mikanier(和歌山・和歌山)
混声合唱アルバム「私の窓から」(相澤直人)から「蜜柑の木」
混声合唱曲(パンフ原文ママ)「私が私に出会うとき」(松波千映子)から「名前」
混声合唱のための「ヨハンネス福音之傳〈よろこびのたより〉」(千原英喜)から「ひとは、せかいに、おる」「それがし、ひと」
阪本先生、腰低すぎますってwってくらいに謙遜していらっしゃいましたが、普通に上手でした。特に、千原英喜の掛け声の完成度はお見事。否、ふざけてはいない。本当にうまかった。1曲目は団歌扱いとのこと、愛唱しているんだなぁというのが伝わりました。そして何より「名前」再演。ステージでこの組曲の再演を聞いたのは、ピースでも、今回が初めてだと思います。文句なくいい曲なので、長く愛唱されてほしいものです。特に3曲目、アカペラで難易度そんなに高くなく、取り上げやすいので、是非。

5:Two Leaves(福岡・福岡)
女声合唱のための12のシャンソン「日々のあぶく」(松下耕)から「風になる方法」「いちゃいちゃ」「恋人の義務」「反省」「あら雪かしら」「腰は低くアンテナは高く」「男をだめにする女」「別れが生んだ出会い」
7人なのに和音も旋律もキリッと決まっていて、その上振りまでカンペキで、本当に上手いと感じました。同じ曲集から取り上げているのに、曲間拍手が2回。これは、それだけうまかった、ということの証左ではないかと思います。この調子で、7人方なかよく(実際なかよさそう)、楽しくキリッとハモってくれるといいなぁと思います。

6:JDCAユース合唱団(大阪・大阪)
混声のための童謡名歌集「日本の四季めぐり」(arr.名田綾子
なんだか面白かったです。ピアノの旋律が非常に大きく動いていたのは、主旋律相まって新鮮でした。「夏は来ぬ」とか特に、嫌いじゃない。「夏の思い出」のソロの子が上手い&可愛い。合唱団、さすが、集まるところが集まっているだけ合って、よく聞きあえる人たちが揃っているんだなぁという感じです。音がとてもまとまっていたのが印象的。そういえば、こちらに知り合いの方が乗っていたのは気のせいではないですね。お疲れ様でした。

招待演奏:東京ユースクワイア
松下耕『混声合唱とピアノのための「やわらかいいのち」』初演
もしかしたら、2010年代最高の傑作の初演の瞬間に立ち会ったかもしれない、という衝撃に満たされています。曲の最初から最後まで、一貫して、詩の世界を捉えられていました。小気味よさだとか、単純な意味での楽しさは一切ない、ただひたすら、精神世界と向き合うための曲でした。難易度は恐らく、カワイグレードが余裕で「上」をつけるレベルの難しさではないかと。単純に音符をおっかけることに加えて、その深い音の世界を表現するのに、恐ろしいまでの体力を使う曲なのではないかと思います。でも、そんな問題を何とか頑張って乗り越えて、何度となく再演され、後世に語り継がれてほしい、そんな傑作中の傑作です。
本当に素晴らしかった。終曲の救いの演奏が終わり、演奏が終了した後、暫く何も考えられないくらいに、陶酔し、そして、心の奥底から感動が突き上げてきました。それを、恐らく誰もが共感できるほどの名演だったのでしょう。何時までも拍手が鳴り止まず、最後に松下先生が一礼された時の万雷の拍手は、耳が痛くなるほど大きかった。先生や団員が退場しても、拍手は鳴り止まず。先生舞台に出られて又一礼。本物のカーテンコールをみたのは初めてかもしれない。
この曲を聞くために、この曲誕生の瞬間に立ちあうために、アルティにいれたことが、何よりの幸せです。

総括:楽しかったですし、何より初演がすごかった。こういうイベント、名古屋にも欲しいなぁって思います。「関西から文化力」の言葉は、嘘ではないような気がしています。あと、アルティ面白いですね。インタミの舞台転換で舞台せり上げたり落としたりしていたのが不思議な感じでした。いろんな形で試してみたくなるホール。演劇用かと思ったら残響も悪くない。何なんだろうアレ。

明日は『やわらかいいのち』吹田初演。もしかしたら、また客席にいるかもしれません。……勉強しろよ←

0 件のコメント:

コメントを投稿